第77章 共栄
なけなしの理性を、慌てて出動させる。
「待って、本当に……っ」
弱い核を刺激されて、ビクビクと反応する腰を抑えられもしないくせに……全く説得力がない。
「可愛い」
「……っ」
ゆっくりと、中心に埋め込まれる指。
それだけで達してしまいそうになるほど、ジンジンと響くような快感が、拡がる。
「ン、だ……めッ」
「でもホラ、指……すんなり」
「んんぁ、や、あ!」
静かな車内に響くのは、エンジンが唸る音と、涼太が奏でる様に鳴らす……水音。
「可愛い音、してるっスよ……ぐちゅぐちゅ」
「……りょうた、っ」
巧みな指使いに、勝手に湧き上がって来るのは次の段階への欲望。
「すごい吸い付き……ひとりでシてないの?」
「や、そんなの、しな……ぁ、あ、涼太あっ、やぁ」
なに、なんで、なんでこんな所でこんな事をしているのに、こんなに気持ちいいの?
抑えられない。
「オレのサンタさん、お金はいらないからさ、プレゼントちょうだい?」
「っえ……何、を……?」
「みわの気持ち良さそーな顔」
「っや、なにそ、れっ、あ!」
ぐい、と押されたり擦ったり……そこを押されると、声が我慢出来ない。
「みわのナカさ、ホント分かりやすい……ほらココ、でしょ?」
「あっ……はぁ、はっ、は」
このままじゃ……いっちゃう。
お願い、止めて。
そう思うのに、思ってるはずなのに。
「ヒクヒクしてる、エロいっスね」
「っあ、あ……」
もう、頂点はそこまで来ている。
外と中、両方を攻める指だけでもこれ以上ないくらい気持ちがいいのに、車内で密着して、鼻腔を擽る涼太の香りが、とどめを刺しに来ている。
もう……このまま身を委ねてしまいたい。
「おっと」
「!?」
涼太が突然顔を上げて、窓の外を見ている。
「だっ、誰か通った!?」
「ん、今横を通った人が中を見てたような」
横を通ったひとというのは確認出来なかったけれど、誰かに見られてたんだ!
どうしよう、死にそうなほど恥ずかしい。
「も、もう、だめだからっ!」
「はは、分かったっスよ。じゃ、行こっか」
涼太は、すんなりとそう言って、私が息を整えている間にハンドルを握り直している。
こちらに向けられるのは、おひさまのような満面の笑み。