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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第77章 共栄


「やっ……ね、涼太、誤魔化さない……でっ」

お店からちょっと離れた場所にある駐車場。
周りには建物が無くて、照明も所々にしかなくて、暗い。

頬に触れる手が、あったかい。
私の手は驚くほどに冷えてしまっているのに。

それにしても。

……涼太って、こんなにキス魔だった!?
今日はどうして……

「も……聞いて、涼太って、ば」

明度の殆どない車内でいたずらのように繰り返される口付けに、段々と頭の芯が蕩け始めるのを感じる。

「いいんだって、お金の事は。みわは気にしないで」

「だ、だめ、りょ、た」

合間合間に酸素を取り込むのと同時に彼の名前を呼んでも、何もない空間に溶け込んでいくばかり。

「……んぅ」

大きな手が、再び胸を包む。
やわやわと、まさぐるように揉んで。

そして、胸を揉むのとは別の手が、ワンピースの裾から入り込んできた。
まさかの展開に、今まで以上に焦る。

「ん、やぁ、なん、……ッ!?」

あっという間に中心に辿り着いた指が、下着の上からゆっくりとそこを撫で上げた。

「や、こんなとこ、誰かに」

「みわ、足少し開いて」

甘ったるく囁くのは、ベッドの中と同じ。
麻薬、だ。
ぞくぞくと背筋を走る甘美な痺れに、手足の自由が奪われていく。

でも待って。
ここ、車の中。

「だめ……だめ、涼太」

制止も虚しく、長い指は探るように動きながら、下着の隙間から入り込んできた。
ぬるりとした感触。

「……すげー濡れてる。キスだけで? その前から?」

その目、その声。分かってて聞いてる……意地悪。
……キスなんてしなくたって、一緒に居るだけで、手を繋ぐだけで、ドキドキするもの。

「……あ……まって」

力が入らない。

「だってさ、折角こんな"動く密室"にふたりきりなんだから」

「んっ!」

ぐい、と弱い所を押し込んでくる指に、思わず腰が反る。

キシ、とベッドとは種類の異なる軋み。
シートと身体が擦れると、独特な音。
全てが、外に丸聞こえなのではないかと、気になって仕方ない。

「ダイジョーブ……誰も見てねえっスよ」

そんなの、甘言だと分かっているのに。


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