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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第76章 清新



「みわ、とりあえずちょっとでも寝よっか」

もう、既に朝だ。
窓の外では、鳥たちが楽しそうに笑ってる。

オレが言うのもなんだけど、みわは随分と身体が辛そうだし、少しでも寝た方が良さそう。

……いやホント、100%オレのせいなんスけどね。

自分の左腕にみわの頭を乗せようとしたら、細腕に抵抗の気配。

「あのっ、ダメなの腕枕は!」

「ん、なんで?」

とか言いながらも、オレの胸元に押し当てられた指が細くてキレーだな、なんて余計な事を考えていた。
みわにバレたら、絶対怒られる。

「あのね、ハネムーン症候群って症状があって、頻繁な腕枕は腕が痺れたりっていうのがね」

「なんかいいっスね、ハネムーン症候群」

ハネムーンか……
みわはどこに行きたいと言うだろうか?
単語ひとつでここまで幸せな気持ちになれるのだから、安いモンだ。

「違うの、そうじゃなくて、そんなロマンチックなのじゃなくてね、とう骨神経っていう神経が麻痺」
「みわ、こんな久しぶりにみわに触れられたんだ、今日は大目に見て?」

黙ってしまったみわの、うぐ、という声が聞こえて来そうで、思わず肩を揺らして笑った。

「ね、少しだけ寝よ」

「……少し、だけ、だよ」

ふわり、みわの髪から香るのは、オレが使ってるシャンプーの匂い。

どれだけ好きになれば済むんだろう。




「涼太、生まれてきてくれて、ありがとう」

みわの笑顔は、ひとを幸せにする。
オレも、幸せになれる。

「へへ、いつもソレ言ってくれんの、嬉しいっス」

ずっとずっと、離すつもりはないっスからね?


どんな運命であろうとも。


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