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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第76章 清新



ベッドの中で、くすぐり合って、じゃれ合って。

身体に力は入らないけど、別にそんなのは大きな問題じゃない。

ふと触れた手が、お互いの指先を探り合って、絡めて。

どうしよう。
私、死んでもいいくらい、幸せ。

「……みわさ」

「うん……」

ふわりと、唇が重なった。
あまいあまい、キスだ。

「……みわ、オレはみわと他の女を比べるなんてコト、絶対しないっスよ」

「うん、ごめんね……」

分かってたはずなのに。
涼太がどれだけ誠実に愛してくれているのか。

それをあんな風に言ってしまって、本当に私、成長していなくて恥ずかしい……。

「……でもさ、もし今後も心配になるような事があったら……比べる相手は、昨日の自分にして。
昨日の自分より、今日の自分はどうなのかって。ね?」

「昨日の……」

昨日の自分と、比べる。
すっと、目の前が明るくなる感覚。
どうして、このひとの言葉はこんなにまっすぐに胸に届くんだろう。

「そ。今日のみわは、昨日のみわよりも、オレの事が好き?」

今日の私は、昨日の私よりも涼太の事が好き?

覗き込まれた琥珀色の宝石の瞳が、優しくかたちを変える。

「……っ、すき」

「うん」

「明日にはもっともっと好きになる」

「うん」

「好き、涼太……」

「知ってるっスよ」

いたずらっ子のような笑みを浮かべた彼は、幸せをかたちどったその唇を、再び私のそれに重ねる。

ゆっくりと、夢見心地のまま触れ合って、笑い合って、また、ふたりはひとつになった。

結局、カーテンの隙間から漏れた朝日が私たちをからかうように差し込み、頬を照らすまで、ずっと愛し合っていた。

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