第76章 清新
熱い息を吐きながら、オレの「ごめん」と、みわの「ごめんなさい」が重なった。
その身体を緩く抱き締めると、彼女特有の香りに混じって、微かな汗の匂い。
興奮を誘う、ご馳走の香り。
「みわが謝ること、ないんスよ。みわはさ……結構、溜めて溜めてドカン、のタイプっスよね。ずっとそんな事思ってたの?」
するり、髪の毛を根元から毛先まで撫でて、毛先を指に巻いて遊ぶ。
巻いてはしゅるん、巻いてはしゅるん。
みわは顔を上げて、恥ずかしそうに、それでいて困ったように眉を下げた。
「う、そうだよね、ドカンだったよね……。
ずっと考えてるわけじゃないよ、なんだか今日、ふと思っちゃったの」
「そうなんスか?」
「なんか、気持ちよすぎて、涼太が好きすぎるーってなっちゃって、もうわけわかんなくなっちゃって、そうしたらなんかそんな風になっちゃって……」
ぐったりとシーツに全てを預けた裸体だけでも十分なまでにオレを誘惑してくるのに、なにその発言。
掠れた声で、あんま呂律も回ってなくて。
多分途中から、自分で何言ってんのかも分かってなさそうで。
……彼女をこんな風にしたのは、オレだ。
普段はあんなに穏やかな彼女を乱して、よがらせて。
ふいに、ぐちゃぐちゃの結合部を思い出して、邪な精神的快感にゾクリと総毛立つ。
さっきから、オレを殺しにかかってんの?
わざとなの? んなワケないのは分かってるけどさ。
「ズルいんスよ、みわは可愛すぎて……」
「ずるくないもん……ずるいのは、涼太だもん」
寝返りをうつのにも苦労して、やっとうつ伏せになれた彼女は、深く呼吸をした。
「みわ、背中のラインがキレイ」
ツウと白い肌に指を走らせると、まるで高圧電流を流したかのように、身体が踊る。
「あ……ッ!」
だーかーらー、敏感すぎなんだって!
「コラ、誘惑しない」
「い、今のは涼太が悪いよっ!」
なんだとこのやろ、なんてワイワイ言い合って。
めちゃくちゃ幸せだ。