第76章 清新

感じやすいって、いきやすいって、それは、誰と比べて？
そんな些細な事が、気になってしまって。

頭の中に、ほんの少しでも別のひとの事、思い浮かべちゃ、やだ。

彼には彼の過去がある。
そんなの、無理だってちゃんと分かってる。
今、涼太と付き合ってるのは、私だってことも。

でもこうしている間だけは、私の事だけ、考えていて欲しい。

お願い。
今だけでいいから。

涼太は、返事をするより先に私の下腹部に腕を回して、腰を持ち上げた。

結果、四つん這いになり一気に深くなる挿入。

「ん、んぅ……！」

物凄い圧迫感。
お腹の中身がひっくり返ってしまいそう。

「みわしか……見てねぇスよ」

「あ、あぁっ！？」

グリ、グリと一番奥まで突き込まれると、遅れて来る快感に、勝手に漏れ出る声と共に涙が滲んでくる。

「他の女なんか、目に入るかよ。思い出しもしない」

「あっ、ん……！」

徐々に激しくなる律動。
彼の方に向けていた顔は、堪らずシーツへとうずめる。

いまの、本当？

そんな確認をする余裕もないまま、じっくりと出し入れをされる楔に攻め立てられて。

次第に速くなっていくピストン運動に、ただひたすら腰を揺らす事しか出来ない。

「あ、あっ、ア、ぅ、あぁ……ッ！」

呆気なく絶頂を迎えてしまっても、その動きは緩むことはない。

熱くなった私の襞が彼を溶かすように包み込んでいるのか、熱い彼が私の襞を溶かしているのか、はたまたどっちもか。

段々と、溶け合うという表現すら生温いほど、2人はぐちゃぐちゃに交じり合っていた。

全てを貪り、喰らい尽くすような行為。

「ごめん、誤解……させたなら謝るっ、ス。
でもさ、そんな風に思われてた……なんて、心外、なんス、けど」

苦しそうな涼太の声。
少しだけ攻めが緩んだと思ったら、彼の指がするりとやってきて、陰核を弄りだした。

野生の獣の交尾のような体位。
内臓が抉り取られそうな快感に、ただただ身を任せていることしか出来ない。

「ひぁ……あ、アァ、ッう……」

「オレにはみわだけっス、よ。
こんな夢中にさせて……おいてさ、ずるいっスわ」

「りょ、りょう……あぁ……っ！」