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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第76章 清新


「……離れたく、なくて」

そう呟いたみわは、少し困ったように眉を下げながら、微笑んでいた。

良かった。
みわの、笑顔だ。

「ううん、オレが悪かったんスよ」

後戯もそこそこに、ベッドを抜けようとしたのは自分だ。
焦って、オレらしくない。


「涼太……ありがとう」

胸元にすり寄ってくるみわが、可愛くて愛しくて仕方ない。

胸を占めるこの気持ち、なんて名前なんだろう。

良かったんだ。
みわのその姿を見て、ホッとした。
今までと同じように求めて、愛し合って。
だって、みわは今までとなんも変わんない。
誰がなんと言おうと、それがオレの真実だから。

みわの滑らかな髪に触れるのは、凄く好きだ。
汗で少ししっとりした髪を、手で梳く。

「涼太に……髪触ってもらうの、すごく好き」

まるで鏡のようなその発言に、頬が緩む。
みわは細い腕を伸ばして、オレの髪に……後頭部に触れた。

「涼太の、髪触るのも……すごく好き」

ヤバい。
なんで、そんなカワイー事言うわけ。

髪……というか頭って、相当気を許してる相手じゃないと、絶対に触られたくない。
少なくとも、オレはそう。

みわに触られると、すげえ安心して……いつもはちょっと眠くなるくらいなんだけど、今は状況が違う。

下半身が熱を持ってくる。

いやー、驚異の回復力!
なんたって若いっスからね!
ダメだ、くだらない事を考えても止まんない。

「そうだ、みわ、7月7日どこで会おっか。1日空いてるんスか?」

こんな時は話題の転換に限る。

「えっと……手帳、見ないと分からないかも……」

必死で起き上がろうとする身体を押しとどめる。

「いや、ごめん! 今じゃなくていいっスよ、後にしよ!」

「……うん、ごめんね」

再びぽすんと頭をベッドに預けた事を確認し、ホッとする。

「みわ、スケジュールは手帳で管理してるんスか? オレは無料のスマホアプリ使ってるけど、便利っスよ」

でも、手帳を手にしている姿が自然に想像できて、みわらしいなとも思った。


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