第22章 夏合宿 ー4日目・ふたりの夜ー
どうして抱擁というのは、想いが伝わるんだろう。
みわっちの全身から、オレのこと好きだっていう想いがにじみ出ているのを感じる。
この細くて小さい肩が愛しくて仕方ない。
オレの想いも、感じ取ってくれてる?
「……ちゅー、して……」
……合格。
しかし『ちゅー』ってまた、可愛い言葉を選んできたっスね……
「こう?」
ちゅっと唇に軽くキスをする。
足りないでしょ?
前にもあったっスよね。
みわっちがウチに泊まりに来た時。
「……」
物足りなそうに、もじもじしている。
まるで小動物を見守ってる時のような気持ちだ。
「次は?」
「……も、もっと、深いの……」
いつもならこれでしてあげちゃうけど、今日はしてあげない。
「深いのってどういうの? 言ってくんないと、してあげられないんスけど」
「え……っ!」
普段、オレばっかりサカってるみたいだからたまにはみわっちも、どうして欲しいかちゃんと言って欲しい。
明らかに困っている様子の彼女が、やっと絞り出した。
「……し、舌……を、ちょうだい?」
ぶ、ヤバい。予想以上。
泣きそうな目で上目遣いって、可愛いすぎて下半身がもう痛いんスけど……。
「よくできました」
ゆっくり顔を近づけ、緊張で閉じたみわっちの唇をこじ開けるように、舌を差し込む。
「……あっ……」
焦らして恥ずかしい思いをしたからなのか、緊張してるからか、口の中が渇いている。
舌を這わせていると、オレの唾液と混ざって段々潤ってくるのが分かる。
飲んで。みわっち、オレの全部。
唾液を交わすなんてこと、AVの中だけのおかしな性癖のひとつだと思っていたのに。
ゾワゾワと背筋を這い上がってくる身勝手な征服欲に浸食されていく。
オレのを飲み込んでみわっちの喉が鳴るたび、欲望が満たされていく感覚。
変態かよ。
「んんぅ……っ……ふあ……っ」
みわっち、ちょっと感じすぎじゃないスか?
必死でオレにしがみついてくる姿がたまらなくて。
「はい、おしまい」
オレも興奮して息が上がってきている。
目の前のみわっちの裸体。
快感で汗ばんで小さく震える身体なんて煽情的すぎ。
このまま押し倒して、オレのをみわっちに捩じ込んでしまいたい衝動に駆られる。