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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第22章 夏合宿 ー4日目・ふたりの夜ー


「みわっち、言ってくんないと進まねっスよ。オレ帰ろっか?」

「まっ、まって……!」

その縋るような目。ああ、いじめたくなる。
煽るだけ煽ってお預けとかやめてね?

「きっ、黄瀬くん……」

「ハイハイ?」

「……抱きしめて……ほし、い」

……ようやく入門編クリアっスかね。
頑張って恥ずかしそうにお願いされるって、思ってたよりずっと興奮する。

振り絞って振り絞って、ようやく出た一言だ。

「こうっスか?」

いつもオレから抱きしめる時よりもわざと長い時間をかけて、腕を回す。

抱きしめた途端、みわっちの緊張で固まっていた身体が、わずかにほぐれたようだった。

「黄瀬くんの匂い……安心する……」

可愛すぎない?
……なんなのみわっち。

鼻腔をくすぐる彼女の香りが、安心感を運んできてくれる。
身体の無駄な力を抜いてくれるみたいだ。

全身くまなく舐めてあげたいけど、我慢我慢。
ただ抱きしめることに徹する。

「……次は?」

オレで安心してくれるのは嬉しいっスけど、今みわっちをいじめてるのも、オレっスからね?

分かってるのかな……

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