第21章 夏合宿 ー4日目ー
なのに。
分かるんだ、みわっちがオレに嫌われるのが怖くて、言えなくなってしまっているのが。
倒れた時、あれだけ謝ってたのは多分、この件についてでもあったんだろう。
こんなに好きなのに。
オレ、ちゃんと分かってるのに。
どうして、言ってくれないんスか。
オレから聞いて言わせるのはなんか違う気がして、みわっちには何回か言えるタイミングを作ってみたけど、彼女は言ってくれなかった。
思い通りにならなくてイライラしているのを我慢してたけど、
みわっちにキスしているうちに興奮してきてしまって、結局あのザマだ。
ふと我に返って慌てて部屋に戻ったものの、帯で拘束して……って何やってんだオレは。
いや……拘束プレイは今度改めてちゃんとじっくりやってみたいっスけど。
翌朝、ビビって先に帰ると言いだしたアイツをもう1回呼び出して、念押しした。
二度と人の女に手ェ出すなって。
その時ついつい壁を力一杯殴ったもんだから後でみわっちに怒られたな。
アイツには効果覿面だったみたいだけど。
……今はこうして落ち着いて話せてるし、『包容力のあるイイ彼氏』でいられるけど、結構大変だったんスよ?
だから、ちょっとくらい……意地悪してもいいよね、みわっち?