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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第76章 清新


暫く、子どもにそうするようにヨシヨシと頭をぽんぽんされて。

「頑張って声……あげたんスね」

「うん……っん」

バスタオルの上からお尻を撫でられて、変な声が出そうになる。

「強いっスよ……みわは」

触れた手が、熱い。

情けなくて、汚されたような気がして悲しい気持ちも、涼太が全部受け止めてくれる。

どうしよう。
泣きたくなる。

縋ってしまいそうになる気持ちをぐっと堪えた。

「……で、いつまで触ってるの……」

「いや、このカタチのいいお尻が涼太君に触って欲しいと」

あながち間違いでもなくて、でもどうしたらいいのか分からなくて、いつものようにぺちりと手の甲を叩いた。

「いてっ!」と小さく悲鳴を上げた涼太は、どこか嬉しそうににこにこと微笑んだまま、脱衣所を去って行った。



私がお風呂を上がってから、涼太も続けてお風呂に入って。

久々の、お風呂上がりにふたりでのんびりとお喋りをする時間。

下着を含めた衣類を全て洗濯して貰ってしまっているから、着るものがない。

お尻が隠れるくらいの少し長めのTシャツを借りたけれど、何も履いていない下半身がスースーして落ち着かない……。

「学校とかバイトとか、どうっスか?」

「うん、お姉さんに紹介して貰った整骨院ね、いい人ばっかりで本当に勉強になってるの。学校も、別に新しい友達とかは作ってないけど、私らしくやってる。涼太は?」

「ん、オレは相変わらず。朝練行って講義受けて午後練して。たまにモデルのバイトしてって生活にも慣れてきたとこっスかね」

そう、慣れてきたところ。
……お互いがすぐ近くにいない生活に。

そう思っていたのに、会うとこんなにも胸が焦れる。

彼の誕生日が終わるまで、あとわずか。

「涼太……遅くなっちゃったけど、お誕生日おめでとう」

「うわ、バッシュっスか?! マジで!? おまけにオレが欲しかったモデルじゃん!」

私たちの母校、海常を思い出させるブルーと、涼太の髪色のような鮮やかなイエローのライン。

彼が輝く舞台へ一緒に連れて行って欲しい、そんな気持ちを含んだプレゼント。


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