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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第76章 清新


「これからは一緒に過ごそう。オレにずっと祝わせて、みわの生まれた日」

自分でもうんざりするのに、
なんで涼太はそんなに優しいの?

「ありがとう……嬉しい」

「それより、七夕が誕生日って確か、緑間っちと一緒じゃなかったっけ……なんかそれが、悔しいっスわ」

「え、ええ?」

「大切な日が同じってさあ……」

ぶすっと唇を尖らせる姿はまるで子どものよう。

「ふふ、なんか……涼太に相談すると、大したことじゃなかったような気になる……」

不思議だ。
こころが、軽くなっていく。
これが、"ひとりより、ふたりで"っていうこと?

「みわの悩みや不安な事、軽く見てる訳じゃないっスよ。ただ、オレは今目の前にいるみわが一番大切だから」

大好き。
ありがとう。
その気持ちを込めて、逞しい身体に抱きついた。

この胸の中は、こんなにも心地良い。
すぐにまた、唇を求め合う。






こころの準備が出来るまで
待って欲しい


自分で言っておいて、"こころの準備"が何なのかを説明出来ない。

どうしたらそんな準備が整うのか、分からない。

だって、今だって……涼太とひとつになりたい。

広いこころで全て許容して、抱きしめてくれるこのひとと。

「っん……」

蠢く舌に与えられる、じわじわとした快感に侵食されていく。
ビリ、と感電するような感覚。

「……みわ」

私の名前を呼ぶ声が、時折角度が変わった際に柔らかい唇から送り込まれる彼の体液が、喉のつかえを取り除いてくれているみたい。

「りょう、た」

同時に、感じるのは喉を掻きむしりたくなるような強烈な渇き。

「みわ……スキ」

「ン、ん」

好き

好きだよ……

細長い指が腰を撫でて……何かに気が付いたかのように、その動きを止めた。

「……みわ、スカート濡れてる」

「あっ、ごめんなさい、脱いだ方がいいね、床が濡れちゃう」

「床はいいんスけど、風邪引くと思って。ついでに風呂入っておいで。服全部、洗濯しとくからさ」

何事も無かったかのように熱は離れ、あっという間に身体が冷えていく。

「……ありがとう、お風呂借りるね」

待たせてるのは私、だ。



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