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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第76章 清新


因果応報


この言葉は、正しいと思う。
自分が起こした悪い事は、全部自分に跳ね返ってくるんだ。

私は、報いを受けているの?
どうして? どうして?
グルグルと混乱した頭で考えても、答えなんか出るわけがない。

今日は、グレーの薄手の7部袖カーディガンに、水色のストライプ柄のスカートを履いてきた。
スカート丈は長め。膝は出ない程度。

頑張ってミニスカートを履かなくて良かった。

腰の下あたりから撫で回されているのが、本当に気持ちが悪くて、怖い。

声を、声を出す!
この静かな車内なら、気付いて貰えるはず!
そう思ったのに、車内にはポツポツとひとの声が溢れ出した。

皆、狭い車内であれやこれやと電話をしている。
のんびりメッセージを打てるような空間が確保されていないからなのか。

小さな声じゃだめ、大きな声を出さないと!
焦る心臓がバクバクと脈打っていく。

それからどの位耐えていただろう……耳元で、ハァハァと荒く息をする気配が近づいてきた。

嫌だ、これじゃ高校を入学した時と同じ、なんにも成長出来てないよ。

お尻に、硬いものが当たっている。
それの正体を、私は知ってる。

気持ち悪い。
やめて。
なんでそんな事するの……!

男は、変わらず身体を押し付けてくる。

『お客様にお知らせします。この列車は、次の◯◯駅まで向かいます。各線、振替輸送を実施中です。ご利用の方は……』

アナウンスと共に、電車が動き出した。

それと当時に、車内の音声が、消えた。
今だ。

「ち、痴漢、です! 触られて、ます!」

誰も、助けてくれないかもしれない。
でも、もう黙ったまま泣き寝入り、したくない!


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