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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第76章 清新


あきから借りた綺麗なモデルさんが表紙の雑誌には、それはもう驚くほどの情報量が詰め込まれていた。

最初は自分の部屋で読んでたんだけど、聞きたい事だらけで、あきの居るリビングに戻ることに。

だってまず、分からない。
ファッション用語が。

スマートフォンを横に置いて、言葉を検索しながら読む事にした。

「マストバイ……?」

「あー、"これは買わなきゃソン!"的な感じね」

「なるほど、買わねばならぬという事か……」

「あんたはカタイんだってば」

「これは? 甘辛MIXコーデって……甘辛、かぁ……すき焼きの割り下みたいなもの?」

ここまで言ったら、あきが笑い転げてしまって会話にならなくなっちゃった。

ハズすって何?
何から何を外すの!?

難しい。
オシャレって、本当に難しい!

怒涛のファッションページの後は、メイクに関するページ。

メイクは身だしなみだ。
私も少しずつ覚えて、出来るようにしなきゃ。

「……で、あんた何やってんの、そのノート」

爆笑から復活したあきが、怪訝そうな目つきで雑誌の横に広げてあるノートを見やった。

「あの、分からない事が沢山あるから、忘れないようにと思って」

「……あんたさ、今日はのんびりするって言ってなかったっけ」

「うん、のんびり雑誌読んでる」

「あんたの部屋から、壮大なクラシックが聴こえてくるんだけど」

「うん、音楽聴きながら」

「……」

「……」

……なんか、黒子くんとの会話と似た流れになってきた?

「何にも考えなくて済むような事、ないわけ?」

「考えなくて済む事……」

……難しいな。

考えながら、雑誌をペラリとめくった。

《特集・本当に感じるSEX》

突然入ってきた見出しに、慌てて雑誌を閉じた。

……涼太に抱かれてる時は、余計な事何にも考えてない。

でも、そうじゃなくて……

「とりあえず、何にもしないで布団に寝転がってみたら? なんか思いつくかもよ」

「う、うん、そうしてみる。ありがとう」

雑誌をあきに返すのも忘れて、手にしたまま自室へ戻った。




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