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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第75章 ※章名については1627Pをご覧下さい


「そこの角のコーヒーショップ、なかなか美味しかった! なんか、雑誌に載ったりして結構有名どころみたいだったよ」

「わ、今度行ってみます」

姉ちゃんが迎えに来てくれて、……みわと、離れ離れになる時間だ。

寂しさがジワジワと湧いてくる。
でも、みわの口から飛び出したのは、別れの挨拶じゃなくて……

「あの……お姉さん。涼太くんが手伝ってくれたので、今日片付けようと思っていたところまで、もう終わったんです。
一旦自宅に戻るので、あの、私も……途中まで乗せて行って頂けませんか?」

「モチロン! 乗って乗って!」

まさかの。

まだ、一緒に居られる。
だらしなく頬が緩んでいくのを感じた。




姉ちゃんが会社のヒト(って言ってるけど、多分彼氏だと思う)から借りた、ホワイトのボディカラーのミニバンに乗り込む。

行きは段ボールがあったから、オレが助手席に乗ったけど……

「あ、涼太。私、さっき買い物してきた荷物を助手席に置きたいから、アンタ後ろ行って」

……姉ちゃんは、オレに100%協力してくれるらしい。
みわと2人で、2列目に乗り込んだ。

「あ、そうだみわちゃん、バイトするって言ってたよね。もう、場所は決まってるの?」

「あ、いえ、まだなんです……」

まさにさっき、2人で頭を悩ませていた話題。

「私の友達がこの辺りで仕事してるのを思い出してさ。さっきメールしてみたら、バイトさん募集してるみたいだけど、どうかな?」

「本当ですか? 条件に合うようなら、是非お願いしたいです!」

"条件に合うようなら"これが一番難しいって、みわもよく分かってる。

でも、みわはチャンスを無駄にするような愚かな人間じゃない。

「オッケ〜。じゃあ、詳しく聞いてまた連絡するね」

「よろしくお願いします!」

こんなに頑張っているみわに、もうツライ思いはさせたくない。


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