• テキストサイズ

【黒バス:R18】解れゆくこころ

第75章 ※章名については1627Pをご覧下さい


「ごめんなさい、こんな勝手なお願い……自分の事ばっかり考えてるの、分かってる」

みわが、みわ自身の希望を自ら言ってくれた……それだけで、こんなにも嬉しい。

「そんなわけないっしょ。ちゃんと言って貰えて、嬉しいっスよ」

……お願いの内容自体は男にとっちゃ拷問と変わらないものだけど、きっとそれも、みわは分かってる。

だから尚更、言うのをためらっただろう。
少し前のみわなら、無理してでもオレに抱かれたかもしれない。

でも、これがみわの本音だ。

「オレ……いつまでも待つから」

身体目当てなんかじゃない……けど、好きな女の身体を欲しがらないでいられる程、聖人でもない。

でも、待つっスよ。
みわが、オレを受け入れようと思えるまで。

「……ありがとう、涼太」

小さな手の甲で拭った涙は、ふたりきりの空間に音もなく溶けていった。





それからは少し片付けをして、持って来たお茶を飲みながら話をした。

バスケの話、大学の話、これからの勉強の話。

そして……

「みわさ、バイトするって言ってたけど……どうするんスか?」

仕事の、話。

みわが今働けるような場所、あるか?
どこに行ったって、男はいるし。

「……うん、色々探しているんだけど、良いところが見つからなくて……頑張って、ファミレスとか、スーパーの裏方とか、かな……」

どこに行っても、スタッフにも客にも男が多すぎるほどいるだろう。

「みわ、焦って無理するのだけはナシっスよ、ナシ」

「うん、……分かってる」

無理して、働かなくても……。
お祖母さんには、お金に余裕があるみたいだし、今だけでも甘えればいいのに。

……でも、ぎゅっと握られた拳が、決意の強さを物語っていた。




/ 2455ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp