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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第75章 ※章名については1627Pをご覧下さい


また、欲が暴走してみわに触れてしまった。
自分の性欲ぐらい、もっとコントロール出来ないのかよ、と自分にガッカリだ。

……いや、うら若き10代、あんな可愛いみわを見たら、ムリっスよ!

みわがあんな目に遭った事を考えたら、慎重にならなきゃいけない部分。

腫れ物に触るようにしたくないとは言っても、ズカズカと踏み込むのとは全くの別問題だろ。

みわ、きっと、フラッシュバックのような状態になったんだ。
パニックになる前に止められて、良かった。

熱を持っている下半身に言い聞かせるように。冷静になれ。

「涼太……お願いが、あるの」

みわが不安げな顔で訴える。
俯いたりせず、真っ直ぐ、オレだけを見て。

「ん、聞くっスよ」

「涼太が、涼太とするのが怖いんじゃないの。ただ……まだ、気持ちが、追い付かなくて……」

気持ちが、追い付かない。
……当たり前だよな。
こころと身体がバラバラになるような事をされて……決して癒えない傷を刻まれて。
みわも、どうしたらいいか分かんないんだ。

「……うん、ごめん」

こうしてキスにも抱擁にも応えてくれるけれど、きっとオレに合わせてくれてる部分が大きいんだろう。

……付き合い始めの頃が、そうだった。
オレに我慢させないようにと、震える身体と気持ちを抑えてオレと触れ合ってくれてたんだ。

無理させたくないと思いながらも、こころのどこかでみわのその気持ちに甘えてた。

……そのみわの口から出た"お願い"って何だろう。

みわは、ふっくらと熟れた唇を動かし始めた。

「そういう事、したくないんじゃ……ないの」

みわの優しさ。
オレが、自分を責めないようにって。

無理しないで、そう言おうとしたら、先にみわの口から言の葉が零れた。

「でも、まだ……こころの準備が出来るまで、待って……貰えないかな……」

みわが、待って欲しいと言うなんて。
正直に言って、ものすごく驚いた。

今まで、みわから言ってくれた事はなかった。

オレのためってそう言って、自分の事は全部自分の内側に閉じ込めて、我慢して。

そんなみわの、初めての"お願い"。


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