• テキストサイズ

【黒バス:R18】解れゆくこころ

第75章 ※章名については1627Pをご覧下さい



翌日。

春風もおやすみしているのか、ここ数日の春の嵐が嘘のように、凪いでいた。

さくら、ひらひら。
今日の花びらたちは、ひらひらりんと、まるで機嫌良く踊っているかのようだ。


結局昨日は深夜に帰宅した。
起きて待っていてくれたおばあちゃんに、涼太はきちんと挨拶してくれて。

「卒業おめでとう、みわ」

改めて言われたその言葉がじんと沁みて、何度もありがとうの気持ちを伝えた。

おばあちゃんは今日は用事があるからと、私が起きる前に出掛けてしまったから、私は遅めの朝食を軽く済ませて、お茶を用意して居間のテレビをつけた。

普段、平日のこんな時間に観ることのないテレビ番組。
ワイドショーでは、芸能人のスキャンダルが報じられている。

何気なくスマートフォンを手に取ると、メッセージアプリのアイコンに1の表示。

開いてみると、あきからのメッセージだった。

"やっほー、忙しくしてる?
もう、来月からの家決めた?
悪いんだけど、まだだったら
連絡くれないかな?
ちょっと相談したい事が
あってさー。"

"お願い!"と、可愛いウサギのスタンプ付き。

"まだ決めてないよ、どうしたの?
電話の方がいいかな?"
と、簡単に返事を送った。

すぐに既読マークがついて、返信。

"ごめんねー!
電話じゃなくて大丈夫!
単刀直入に言うと、
一緒に住まない?"

……ん?
単刀直入すぎて、ついていけない。

"何かあったの?"
……もっと聞かなきゃいけない事がある気がするんだけど、咄嗟に質問が出て来ない。

"あー、やっぱり
直接話した方がいいよね。
時間取れたりする?
電話か、ちょっと会いたい
んだけど"

……あきと会うなら、繁華街になるだろう。
いきなり行くのは、正直……不安。

"場所はどこにする予定?"
怖気付いている自分に喝を入れつつも、聞いてしまった……。

"今、みわんちの近く通るんだけど!"

「えっ」

慌てて、お茶菓子を準備した。


/ 2455ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp