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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第75章 ※章名については1627Pをご覧下さい


それからは、距離を縮めたくて、頑張った。

それが恋なのか、単なる興味なのかは、最初……分かんなかった。

一所懸命に頑張る姿、時々オレに見せてくれる優しい微笑み、心遣い……気付いたらもう惚れてて。

オトコが怖いっていうみわを怖がらせないように、無闇に近づかないように。
でも、自惚れかもしんないけど、みわもオレに興味持ってくれてるような気がして……それで、グイグイいっちゃったんスよね。

今となっては、山ほど反省する点はあるけど……うん、結果オーライっスわ!

彼女に出逢ってから今日までの、様々な記憶や思い出。

全部鮮やかに、でも優しくオレのこころの中に残ってる。

「黄瀬君、だから、わたし」

「ごめんね。みわは特別。みわの代わりになる女なんて、いないんスよ」

「……」

「ありがとう。好きに、なってくれて」

ありがとう。
みわが大事だって、改めて気付かせてくれて。





教室に戻ると、みわはあきサンと抱き合っていた。

「あ、黄瀬」

「……あきサン、今日だけは特別っスよ……」

「あ、涼太……おかえりなさい」

ぐしぐしと鼻を擦っている。
恐らく、友人たちと別れの挨拶をしたんだろう。

「じゃ、あたしもう行くわ。黄瀬は暫く会わないよね、元気でね〜」

「あーうん、あきサンもお元気で。みわをヨロシクっス」

そう言って、あきサンは手をひらひらと振りながら去って行った。

オレが言うのもなんだけど、卒業っぽい空気は全くない。

教室内には、もう殆ど人は残ってない。
みわと過ごした学校生活も、終わり……か。

「涼太……謝恩会、行く?」

ポケットティッシュで鼻を拭いながら。

「んー……そうっス、ねえ」

「行く、前に……学校一周、しても、いい?」

「ん、行こっか」

その細い手を取って、想い出巡り。



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