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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第74章 惑乱


みわは、いつからこんなに自信が無くなったんだろう。

少なくともオレがSariにヤられた時には、もう少しオレの事……自分の男だって、独占したいって、そう思う気持ちがあったはず。

……みわの過去を、思い出すたびに。
……オレの未来が、見えてくるたびに。

自分の欲望よりも、オレを優先するようになった。

それが嬉しくて、でも寂しくて。

みわの愛は、いっぱい感じてる。
でも、もっともっと独占して欲しい。
距離なんかに、負けないように。

また少し、水でも飲んだ方がいい。
そう思って、ベッドから下りて再びベッドの正面……壁際に置いてあるイスに座った。

オレが冷蔵庫を開けようとしていると……みわは突然、入院着のボタンに手をかけた。

「みわ?」

ひとつ、ふたつとボタンが外されていき、隙間から胸の谷間が現れ始める。

「みわ、どしたの」

オレが呼びかけても止まることはなく、みわは上着を脱いだ。

日焼けとは無縁の白い裸体には、青アザが無数に刻まれていた。
腕には、擦り傷のあと。痛々しいかさぶたになっている。

そして、頬の大部分を隠しているガーゼを取り去ると、黒々としたアザが姿を現した。

無残な姿に、一瞬言葉を失う。
どくどくと脈打つ心臓の裏からふつふつと湧いてくるのは、怒りか。

「涼太……これ、これが、今の……私。
こんな、こんなになっちゃったのに、それでもまだ……受け入れて、くれるの?」

そう言いながら、今度は入院着のズボンにも手をかけ始める。

「まだ、まだ下にも、あるの。足にも、お尻にも」

「みわ」

「これだけじゃないの。もっとされたの、もっと」

「みわ」

その手を押し留めて、冷えた身体を抱きしめた。
こんなアザ、触れるだけでかなりの痛みのはず。
でも、今のオレにはこれしか出来ない。

「みわ、キレイ。言っただろ、何にも変わってないってさ」

「そ、んなの……」

「みわは、オレの事が嫌いになった?」

「な、らない……なるわけない。すき……だいすき、だいすき、涼太」

「その言葉、まんまお返しするっスよ」

その唇は、オレの熱を再び受け入れてくれた。



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