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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第21章 夏合宿 ー4日目ー


合宿4日目。

昨日、笠松先輩がいなくなったあと鏡を見たら……

首筋の一番目立つ所に、キスマークが……!

……夏は暑いから髪をアップにしていたのに、これじゃ丸見えだ。

仕方ないので、絆創膏を貼ることに。
うう、不自然……。

昨晩笠松先輩から伝言があったように、朝、体調を崩した先輩が先に帰るというので、玄関まで見送りに出た。

先輩はひどく怯えた様子で私を見る。

「神崎……ごめん、ごめん。もう、二度と近寄らねーから。ごめん。
あんな事、死んでもしねーから。許してくれ。本当に、ごめん……!」

「先輩……一体どうし」

「俺もう行くから。本当にごめん!」

青ざめた顔でそれだけ言って、先輩の乗った車は視界から消えていった。

なに……?
あの怯えようは一体……?




もう明日の夜には解散する合宿。
あっという間だ。

でも、練習は日に日に厳しくなっていく。
日数を重ねるから慣れて楽になる、なんてことは決してない。

私の仕事は、慣れれば慣れるほど楽になる。
4日目ともなると自由に動け、練習中の部員達のフォローも手厚くできるようになってきた。

合宿中は、自主練厳禁にしている。
時間内で必要な分だけ詰め込んでいるから、それ以上の練習はオーバーワークになるだけだ。

今日は、黄瀬くんにも笑顔が見える。

朝、車で会った時やテーピングの時は言葉を交わす事がなかったけれど。

……あれ……?

「黄瀬くん、ちょっと」

黄瀬くんの右手の第1関節の部分が赤くなり、腫れている。

「やだこれ、どうしたの……!」

急いで氷のうを用意し、冷やす。

「……虫よけ」

「え? 虫がいたの?」

「……なんでもねーっスわ……」

「これ……何かを殴った、とか? ボールを扱う大事な手だから、気をつけて……」

「……そっスね……」

少しの時間冷やした後、湿布を貼れる部位ではないため、コールドスプレーをかけて、練習に戻って貰った。

一体、どうしたの……?


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