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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第20章 夏合宿 ー3日目ー


「みわっち……今日はキスしていい?」

「えっ、あの……」

「いいなら……目、瞑って……」

甘い囁きに、目を瞑りそうになる。
でも、だめ。

「……オレ、ちゃんと信じてるから。
何があっても、さっき言ってくれたみわっちの気持ち」

気持ちが、揺れる。
ごめんなさい。好き。
黄瀬くん、好きだよ。大好き。
本当の事を言えず、甘える卑怯な私を許して……。

ギュッと力を入れて、目を閉じた。

唇に感触は、まだない。
前が見えないから、黄瀬くんの行動が読めない。

「……みわっち」

「……あっ……!」

突然、耳元で声がする。
不意打ちのその囁きにゾクゾクし、恥ずかしい声が勝手に出てしまう。

耳にキス。頬にキス。おでこにキス。
鼻筋にキス。まぶたにキス。

黄瀬くんはあちこちにキスをするけど、まだ一度も口にはしてくれない。

黄瀬くんの舌を求めて、頬が紅潮して息が荒くなるのが自分でも分かる。

口が勝手に開く。
黄瀬くんと、キスしたい……。

「みわっち、イジワルしてごめんね」

「はあっ……んっ!」

黄瀬くんの舌が、下唇を撫でた。
まだ傷口が、少ししみる。

「唇、やっぱ痛そうっスね……もう、自分を傷つけちゃダメっスよ?」

「え? ……あっ……」

唇が重なる。温かくて気持ちいい、黄瀬くんの唇。

ゆっくり様子を窺いながら入ってくる舌も、柔らかく触れ合ってる唇も、顔に添えられた大きな手も、全部が好き。

「んんっ……」

キスしていると、快感で身体が震えて、つい黄瀬くんにしがみついてしまう。

「……っは、みわっち……」

「ぁ……ごめんなさいっ……」

「……なんで謝るの?」

「わた……私……っ、ズルいから……」

「そう? ……いいよ、オレもっとズルいっスから……」

「んっ、んんんっ……」

これがどんなに酷いことか頭では理解しながらも、身体は快感に呑まれていく。

「オレ、みわっちの事信じてるっスよ。みわっち、オレに言いたいことある?」

キスが、どんどん激しくなってくる。
激しいというよりも、荒い。

「え……あ、黄瀬く……くるしっ……」

がっちり抱き締められて、抗うことも許されない、荒いキス。

次から次へと流れ込む甘い唾液に溺れそう。
なに……このキス……!?


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