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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第20章 夏合宿 ー3日目ー


「みわっち。ごめんね、過去はもう変えられない。オレにそういう時期があったのは事実。
でも、今はそんなことしようとも、したいとも思わない」

「黄瀬くん……」

「オレは今、みわっち以外とはキスなんてしない。それじゃあ、ダメ?」

「……ううん、私が……勝手に嫉妬してただけだから……私だけのものって、思ってしまっていただけ」

「オレは、みわっちのものっスよ。
海常のエースのオレも、モデルのオレも全部オレだし、全部みわっちのもの」

なんて嬉しい言葉なんだろう。
なのに……

「……ごめんなさい……」

昨日、倒れた時に謝った「ごめんなさい」には、先輩にされたキスのことも含まれてた。

黄瀬くんはちゃんと話してくれてるのに、私だけ黙っていようとしてる。ズルい。

「……みわっち、……その事だけ? 最近ずっと様子がおかしいのは、これ?」

「…………うん、そう。
勝手にヤキモチ妬いて、1人でずーっとモヤモヤしてたの。みっともなく」

「みっともないなんて事ないっスよ。
好きなら当たり前でしょ。……みわっち、不安にさせてごめん」

なんでそんなに優しいこと言うの。
裏切ったのは、私の方。

「みわっちは……オレ以外とキスしたいって思ったこと、あるんスか?」

先輩に無理矢理されたキスが、頭をよぎる。

胸が、痛い。
黄瀬くん以外となんて、絶対、死んでもしたくなかった。
涙が勝手に流れ出して、止まらない。

「ない……! 黄瀬くん以外となんて、考えられない……っ!」

なのに……なのに……

「みわっち」

黄瀬くんが、私の両肩を掴んで真っ直ぐ私を見た。
じっと見つめられると、身動きひとつ取れなくなる。

「もう1回聞くよ。……オレ以外と"キスしたい"って思ったこと、ある……?」

何度聞かれたって、同じだ。

「ない! ないよ……っ……」

「……そっか、なら安心したっス。
オレも、みわっちも同じ気持ち。それだけ分かってれば、充分」

そう言うなり、黄瀬くんはまた前のように私を抱き締めてくれた。



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