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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第20章 夏合宿 ー3日目ー


「…………だ、だって、キスする時もそれ以上の時も、私ばっかりオロオロしてて、黄瀬くんはいつも余裕だから……」

「余裕じゃないっスよ、ゼンゼン。
ただ、やっぱ男のオレがリードしなきゃだし好きなコにカッコワルイとこ、見せられないじゃねぇスか……」

黄瀬くんが首元を押さえて、ちょっと俯きがちにそう言った。
照れてる時のクセだ。

「……黄瀬くんって、学校とかでキスしたり……え、え、エッチしたりしてた……?」

聞いてから、しまったと思う。
この聞き方は、あまりに直球すぎた……。

「……はあぁぁ!? しないっスよ! するわけないじゃないっスか!」

「だって、最初私にした時体育館だったし……」

「……っ、あれは例外! どうしてもしたくてたまんなかったんスよ……。オレ、そんなにいい加減に見えるんスか?」

噂を真に受けてるのを知られたくなくてあやふやにしたから、私がそう思ってるみたいに思われちゃってる?

違う。誤解されるのは嫌だ。

「私は、そんな事思ってないよ。
ただ……噂とかを聞くと……どうしても、不安になってしまって……ごめんなさい」

「ウワサ? あぁ、よく言われるっスね……ファンの子と片っ端からヤッてるとか。
ファンにそんな事するわけないじゃないスか」

「ファンじゃなくて……彼女さんとかなら……するってこと……?」

これは、揚げ足取りだろうか。

「しないって。オレ頭良くないっスけど、そーゆーとこはちゃんとしてるつもりなんスけどね……」

困った表情の黄瀬くん。
少しイラついてるようにも見える。

「だ、だって上手だし……いっぱい、女の子と、キス……した事あるんでしょう……?」

私、しつこく何聞いてるんだろう。
どう答えて欲しいんだろう。

「う〜ん、キス……そうっスね、正直キスは、気軽にしてた時期があるけど」

あ。
ほらやっぱり、聞かなきゃ良かった。
噂のまま、分からない方が良かった。

本人の口から聞くのって、こんなに、こんなにも、ショックなんだ……。

頭の中に、可愛い子たちとのキスシーンが勝手に思い浮かぶ。

絵になるワンシーンだ。
私なんかとは、全然違う。

「そ、そっか、うん、……大丈夫、ちゃんと分かってるから」



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