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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第73章 散華


下の姉ちゃんの質問責めに遭ったと思ったら、上の姉ちゃんまで起きてきて、そこからは散々だった。

旅行のお土産を次から次へとみわの手に持たせ、来年の旅行は一緒に行こうと誘いだし(オレが年末年始は一緒に過ごすんだから、断固拒否!)、今日は泊まっていけとゴネだし、大変な事になった。

みわも体調が万全じゃないからとなんとか説得。
……だいぶ渋られたけれども。

「なんか妹が増えたみたいで嬉しい! 可愛い妹、欲しかったんだよね」

と、2人口を揃えて言う。

「悪かったね、可愛くない弟で」

大体、上の姉ちゃんは妹も弟もいるんだからモンクないだろ、と言ってやりたいが、そういうものでもないらしい。

みわは一体、どう反応したら良いのか困った様子。

「みわちゃん、ごきょうだいは?」

「あ……えっと、1人っ子です」

「そうなんだ! じゃあ丁度いいね!」

何が丁度いいんだ。
助け舟を出そうにも、暴走しまくっている姉ちゃんを止められた試しがない。

その内、何故か酒盛りが始まった。

いや、飲んでるのは父親と上の姉ちゃんだけなのだが、最もアレな2人が飲み始めたとなると……

「みわ、帰ろ」

「えっ?」

「帰ろ、火の粉が降りかかる前に」

「なんだ、聞き捨てならないな涼太、そんな事言われると父さん傷つくぞ」

「アンタが一番厄介なんだよ!」

いつもの父子のやり合いに、みわがくすくすと笑っている。

「仲良しだね」

「みわ、どこが!? このヒト自由すぎて、ホント嫌なんスよ!」

指差した先、テヘペロ☆という表現が似合いそうな表情を浮かべた父親。

小さい頃は母親にそっくりとしか言われなかったが、年をとるにつれて父親にも似てきたと言われるようになった。
なんかヤダ。
すげぇヤダ。

「冷たいな、涼太は。父さんはこんなにも涼太を愛しているのに」

「ハイハイアリガトウゴザイマスオトウサマ」

酔っ払いは相手にしないに限る。

「愛して……」

みわは、父親の言葉を反すうして考え込んでいる。

しまった。
バカかオレは。




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