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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第73章 散華


「オレたちはみわの事だって、仲間だと思ってるっスよ?」

……でも、それは私が涼太の……

「たとえ、みわがオレの彼女じゃなくてもね」

「……?」

こころの声に返答したかのようなその言葉に、私はまたアホヅラを曝している。

「何スかその顔。当たり前でしょ、みわとキセキの皆の関係は、みわが皆と過ごした時間で築いたものなんだから」

"友達"だと言ってくれた赤司さんの声を思い出す。

皆の笑顔を思い出す。

……こんな事を言っている私は、きっと醜い顔をしているだろう。

皆の優しい気持ちを台無しにしている。

また左手が痛んで、涙が出てきた。

「みわ」

「あれ、ごめんなさい、なんでだろ、私……」

いつものように、大きな手が頭を撫でてくれる。

「みわはもうちょっと、自分に自信つけなきゃ、ね」

「自信……」

おばあちゃんにも、時々言われる。
あきにも、マクセさんにも……。

こんな卑小な自分に、自信なんか持てないよ……。

こんなに頼って生きていて、このひとが近くにいなくなったら、私どうなるんだろう。

「大丈夫。みわは、オレが選んだ女なんだから。ね?」

甘い甘いはちみつのように、とろりと耳に入ってくる心地良い声。

涼太のこの声は、身体に回った毒のように、脳を冒して、指の先まで痺れさせるんだ。

気が付いた時には、もう意識が浮遊し始めていた。




そう言えば……青峰さんの今後って、聞きそびれちゃった。
どうするんだろう、卒業後は……

そんな事がチラリと脳裏をよぎったけれど、すぐに意識が霧散した。



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