第73章 散華

ピリリと肩に走る甘い痛みに、ズクリと疼く下半身。

「っ、みわ……？」

「涼太、にも……かみさま、ついてくれなきゃ……」

そう言って、力が入らないクセにふにゃりと笑う姿があまりに可愛らしくて。

……愛おしくて。

ホント、この子には敵わない。

気が付けば、ひたすら速度を上げて腰を打ち付ける自分がいた。





2人の吐く息が、部屋の湿度を上げていく。
静かな室内に、吐息と濡れた音だけが響いていた。

「や！　あ……も、ひとりでいきたく、ない……おねがい、りょうた」

散々耐えてきたが、もういよいよ限界だ。

「ン、ぁ……オレも、イキそ」


腰に絡みつく細く長い足が、オレが中で果てる事を許してくれているように感じて……。

「あッ、お、おく……ん、あぁ……」

「出す、よ……ッ、みわ……！」

脳天まで快感が突き抜け、溜まりに溜まった白濁液がみわの子宮口に向かって噴き出す。

一滴残らず注ぎ込むように、みわの腰を強く掴み先端を深く突き込んだまま、精を吐き出し続けた。

初めて、みわの中に全てを放った。

「……はぁ、はぁ……っ、あ」

欲望が、次から次へとみわに注がれていく。

みわは、オレのものだ。
オレだけの。

この瞬間を夢にまで見ていた。
みわ……。

「……ん、ぁ、あぁ……」

「……みわ……ッ」

激しい射精が収まると、抜かずにそのまま口づけをした。

舌を絡め合わせ、ぐちゃぐちゃになった秘部に負けないほど、本能のままに唾液を吸い合う。

「ん、んん、ん」

「は……ぁ、みわ」

頬を温かいものが伝っていく。
息が段々苦しくなってくる。

涙が、止まらない。

「みわ、愛してるよ」

「涼太……りょう、た」

みわの瞳からも、とめどなく涙が溢れてくる。

世界で一番、愛しいひと。




「みわが失くしたもの、オレが全部……代わりになるから」