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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第73章 散華


"ごめんなさい"

みわが、つい言ってしまう言葉。

……お祖母さんの話によれば、これも虐待を受けている時期に染み付いてしまったものらしい。

全て自分が悪いんだと思ってしまうようになったのも、それらの行為が原因だったと。

少しでも痛みを和らげたくて、1秒でも早く終わらせたくて。

酒を飲んで暴れる母親の恋人の怒りをおさめたくて。

彼女の心と身体が受けたダメージを考えると、胸が痛くなってくる。

みわは何も悪くないのに、なんでそんな目に遭わなきゃなんないんだ。

こんな、細い身体に……。
こんな、純粋な心に……。

眼球の裏側が、熱くなる。

無意識に歯を食いしばっていたらしく、奥歯がギリリと鳴った。

……みわの"ごめんなさい"は、もう聞きたくない。

自分でも驚くほど早く彼女の衣服を脱がせると、みわは下着姿で頬を染めている。

「あの、涼太、シャワーを……」

「いい」

唇を首筋に這わせ、赤いアトをつけたあとは肩から指先にかけて、滑らせていく。

「あっ……」

オレたちを……オレをずっと支えてくれた、手。

キレイな、指……。
細い指先は、力を込めたら折れてしまいそうだ。

浮き出た鎖骨。
また、少し痩せてしまったのだろうか。

柔らかい胸に、感度の良い頂。

ドクドクと、鼓動が収まらない心臓。
乱れた呼吸とともに、上下する胸。

くびれた腰のラインに、縦にうっすら線の入った腹筋。

可愛い臍。
舌で弄ると腰が揺れた。

皆をマッサージしてくれるみわ。
いつも、みわ自身の肩が凝ってしまっているのに。

弱いトコロのひとつ、背筋を舌でなぞると、猫のように背を反らせた。

そして……傷痕。

この柔らかい肉に突き立てられた、ナイフ。
今でもあの光景を思い出すだけで、背筋が凍る。

全て、みわの身体中、余すところなく伝えていく。

みわの全部が、愛しいって。

「や……も、恥ずかし、言わないで……!」

顔を赤く染めて抵抗する彼女の言うことは……残念だけど、聞いてあげられない。




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