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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第73章 散華



あれはウィンターカップが終わって、すぐのこと。

快晴だと言うのに肌を叩く風は冷たくて、早く春が来ないかな……なんてひとりごちながら、みわのお祖母さんの家のインターフォンを押した。

「コンチハ、黄瀬です」

「あら、黄瀬さん?」

「どもっス」

お祖母さんはいつものように明るく、でもちょっと不思議そうな顔をして玄関から出て来た。

「あら、みわは一緒に帰って来なかったのかしら?」

「ああ、なんかノート買いに行くって……。
今日は、お話したい事があったんで、先に来たんス」

お祖母さんは、何かに気がついたような表情。

「そうだったの。まあ、立ち話もなんだから、入って。今お茶を淹れるわね」

幾度となくお邪魔している、居間。
国民的アニメのお茶の間をそのまま再現したような造りだ。

既に温まっているコタツに足を入れ、淹れて貰ったばかりの緑茶を口にした。


「優勝したんですってね。おめでとう」

「あ、ありがとうございます」

「みわもずっと頑張ってきたからねえ。
泣きながら、遅くまでずっと話してくれたわ」

以前も思ったけど、やっぱりお祖母さんが微笑むと、どことなくみわに似ている。

今までは血筋かなとか、遺伝子かなとか思ってたけど、2人には血の繋がりがないのだと知った。

それを知ってから見てもやはり2人の雰囲気は本当に良く似ている。

よく、長年連れ添った夫婦は似てくるというけど、それと同じようなものだろうか。

……なんか違うか。

「それで、話したい事って言うのは?」

「あ、ハイ。
みわの事、なんスけど……」



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