• テキストサイズ

【黒バス:R18】解れゆくこころ

第73章 散華


涼太の部屋に入ると、部屋の半分がベッドで埋まっていた。

そうだ、以前のベッドは今、寮で彼が使っている筈。

この大きなベッドは、涼太が1人暮らししていた頃に買った……

……僅かな期間だったけど、何度もこのベッドで抱かれた事を思い出し、顔に熱が集まるのを感じる。

残る家具は、小さなガラステーブルに本棚、テレビ台だけだ。

「あれ、ここにあった小さめのソファは?」

テレビの前に置いてあった筈の、ネイビーのソファがなくなっている。

「あー、ベッド置くと場所がなくてさ、姉ちゃんが使うってんで、今は下の姉ちゃんの部屋にあるんスよ」

「そ、そうなんだ」

お姉さん。
ああ、黄瀬家は本当に緊張する……。

今まで泊まらせて貰った事は2回。

それ以外でも、たまに、本当にたまにお邪魔する事はあるけれど、いつもお姉さん達はお仕事で不在だし……。

ドキドキして心臓が飛び出しそうだ。

「そこ、空いてるとこ座って」

「あ、うん」

温かい黄瀬家。
いつも、本当の家族みたいに迎えてくれて、嬉しい。

明るくて、優しくて、自由で。

あんな素晴らしいご家族の中で育ったんだもん、涼太の人柄の良さは納得。

家族、かあ……。




「みわ、何やる?」

涼太がテレビ台の下の扉を開けると、ずらりと並んでいるゲームソフトたち。

ゲームなんて全く詳しくないから……と思いつつも、一応端からタイトルを確認していくと、見つけたひとつのゲーム。

「あ、私これ、あきとやったことある!」

全世界でも人気のタイトルらしく、映画化とかもされているんだとか。

ゾンビ? のような敵をひたすら撃つゲームで、謎解き要素とかやり込み要素が沢山あるんだって。

「あきサンと? 珍しいっスね」

「彼が好きなんだって言ってた……」

彼が泊まりに来ると、何時間もやっちゃうくらい、ハマってるらしい。

確かに、最初は操作に慣れなかったけど、上手くできた時の達成感が好き。

「みわにしては意外なチョイスっスけど、んじゃこれやろっか」

「うん!」



/ 2455ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp