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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第72章 悋気


「……青峰さん……行っちゃった」

さつきちゃんとふたりきりにしたくて、無理矢理あんな事言ったけど……やっぱりダメか。

どうしよう……早く、仲直りさせてあげたい。

2人の気持ち、通じて欲しい。

どうしたら……




「……ね、みわ」

「わっ、なに、涼太」

突然顔を覗き込まれて、驚いて身を引いた途端に、ベッドのヘッドボードに頭をぶつけた。

「いった……」

「はは、何してんスか、大丈夫?」

後頭部に響いた衝撃に、若干目の前に星を飛ばしながら涼太に目をやると、彼はおひさまのような微笑みで、私の浴衣の胸元を掴んでいる。

「……なに? 涼太?」

「スルってこと、だよね?」

「……え?」

する?
って?

「あんなにすぐ終わるすぐ終わる言ってたけどさ……そうカンタンには終わらせないっスよ?」

さっき、慌てて乱暴に閉めた浴衣の合わせから、侵入してくる手。

「え……すぐ終わるって、何が?」

「みわが言ったんでしょ」

ちょっと、涼太が何を言ってるのか分からない。

「……なんで、心当たりがないような顔してんスか」

「何……ごめん、よく分からないんだけど」

「みわが青峰っちに、さっさとヤるから部屋に行っとけって言ったんスよ!」

……へ!?

「ヤ……!? 言ってない! そんなつもりで言ってないよ!」

「アレにそれ以外の意味があったら逆にビックリっスわ!」

普段、どちらかというとボケ担当? の涼太に、ツッコミを入れられてる……。

「だ、だって青峰さんが、さつきちゃ」
「もーいいから、黙って……」
「あっ」

言葉通り、あっという間にゼロ距離になる2人の間。

涼太の唇が、頬を撫でる。

「カワイイ声しか聞きたくないっス、今は」

違うの、違うの。
したくないわけじゃないの。

そうじゃなくて!!

「待ってってば、ちょっと!」




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