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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第72章 悋気


ご友人の目の前で、痴態を曝した事がある方、どの位いらっしゃいますか?


そんな無意味な街角アンケートをしたくなる。

もう、頭は真っ白を通り越して真っ黒。

いや、落ち着いて。
何を言っているの。

そんな私に構わず、相変わらず2人はいつもの調子でギャアギャアと言い合いをしている。

ビックリするほどのメンタルの強さだ。


「大体、なんで青峰っち戻って来たんスか!」

「いや、だからオレの部屋だっつーの。
チェックアウトまで昼寝しに来たんだよ」

「ん? 皆結局、何時までいるんスか?」

「紫原とテツは、なんか実家で用があるってさっき先に帰ってった。さつきが、神崎を待つって言うからオレも付き合わされてんだよ」


さつきちゃん。


その名前で、ぼんやりしていた頭が覚醒する。


そうだ、さつきちゃん!


青峰さんに謝りたいと言っていた彼女の姿が目に浮かぶ。


「あ、青峰さんっ!!」

「ん?」

「あの、あの、すぐ終わりますんで、私の部屋で待っていてくれませんか!?
鍵、その、鏡の前にあります!」

なんかもう、自分でも何言ってるか分からないけど、とにかく思い浮かんだ言葉をぶつけるしかない。

「……いや、オレ昼寝してーんだけど」

「あの、ですから、私の部屋使って下さい!
どうせ、ベッドまだ使っていないので!」

「ベッドはいいけどよ、神崎の部屋なら、さつきがいんだろーが」

勿論、百も承知です。
だから、すすめてるんです。

「ホントに! すぐ! すぐ!
終わりますから! お願いします!」

「何ムキになってんだよ、神崎」

お願い、さつきちゃんの話を、聞いて……!

「青峰っち、オレもこのまんまじゃ終われないんスけど」

思わぬ涼太からの加勢で、場が静まり返る。



「……んだよ、いーよじゃあ、赤司に空き部屋あるか確認すっから」


そう言って、青峰さんは部屋を出て行ってしまった。

……失敗、しちゃった?


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