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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第72章 悋気


「つ……ッ」

並びの美しい歯に噛み付かれて、下唇がピリリと痛む。

続いてやってくる対照的な優しい舌の動きに、湧き上がる快感に身悶えてしまう。

涼太の愛撫、何度されても慣れない。
脳みそ、溶けそう……。


「っふ、っ」

男性の唇って、こんなに柔らかいの?
形の良いその唇とキスをしていると、訳が分からなくなる。

さっき、涼太が言っていた言葉……
口って、大事だって。

確かにそうだ。
人間にとって……とても大切な、部分。

そう思いながら涼太のキスを受け入れると、彼の大事なものを奪っているような錯覚に陥って、背筋がゾクゾクする。

舌と共に酸素まで吸い合って、唾液を交わして……。

甘い。
なんて甘い、行為なんだろう。

太腿の奥が、疼く。

だめ、こんな所で。

そう思っているのは嘘じゃないのに、ジリジリと理性の端に火がつき、燃え広がっていくのを感じる。

時折交わされる視線の先にある、欲情の光を宿した瞳の誘惑に、逆らえない。

止められない。

大きな手がするりと浴衣の中に入り込んでくる。

「あ、っ」

胸や太腿をさわさわと優しく撫でると、浴衣を乱していく。

その自然すぎる動きに、抵抗するのも忘れてしまった。

「……みわ、柔らかい」

「んぁ……ッ」

胸を下から持ち上げられるように揉まれ、先端を強く吸われると、ひとりでに背中が反り返る。

「相変わらず……感度良すぎ」

ハァ……と吐かれた熱い息が肌を擽るのすら、耐え難いほどの快感を煽って。

「ね……シちゃう?」

その甘い誘惑に、思わず首を縦に振りそうになる。

「何考えて……ここ、赤司さんの」

「みわだって、さっき温泉でシようとしてたじゃないっスか」

「うっ」

ね? と、魅惑的な視線を送られてしまっては、拒否出来ない。

身体が動かない。宝石の瞳を持ったメデューサに睨まれたみたいに、身体が石になってしまったかのようだ。





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