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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第72章 悋気



「なーに? みわ。
……誘ってるんスか?」

いつもは、こんな事を言ったら、"こんな所で何言ってるの"って、怒られる。

でも、耳元の甘い声は

「……うん、誘ってる、の」

と囁いた。







拙い唇に誘われて自分の唇を重ねると、まるでみわの気持ちが流れ込んでくるかのようだ。

「涼太……好き……だよ」

小さな唇が触れては離れ、離れては触れの繰り返しでもどかしい。

「みわ……オレも……スキ……」

こんな言葉なんかじゃ足りない。
もっと、もっとオレをみわで満たして。

たどたどしい舌使いに煽られながら、その柔らかい肌に指を這わせていく。

顔にかかるのは、立ち上る湯気か、はたまたお互いの吐息か。

湯の中で抱き合った身体の熱は、上がる一方だ。

「りょうた……」

「……みわ」

お互いが、お互いをこんなにも求めている。

みわが欲しい。

みわも、オレの事を欲しがって。

みわが、オレの筋肉を確かめるかのように、細い指でなぞっていく。

その愛撫が堪らなく気持ち良くて、素直にオレ自身は勃ち上がってきた。

みわに主張するように押しつけると、小さい手がふわりと先端を包み込んでくれた。

「ん……、みわ……」

興奮しきった大きな瞳と目が合う。

聞いても、いい?

「みわ、オレの事だけ、好きでいてくれる?」

みわは、小さく頷く。

「明日も、明後日も、オレといてくれる?」

少し驚いた顔を浮かべた後に、何度も頷く。




「……みわ、オレに、全部くれる……?」



いつもの、大好きな笑顔を浮かべたみわは、オレの首元に縋り付くように抱きついてきた。

少し湿り気を帯びた髪を撫でる。

「いいの? オレ……さすがにこんなトコでゴム、持ってないっスよ?」




少しの沈黙。

「ねえみわ、意味、分かる……?
オレの全部、受け止めてくれる?」


腕の中のみわは、オレにもハッキリ分かるくらい、大きく頷いた。


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