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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第72章 悋気


「……みわ?」

ハッと意識を戻す。

赤司さん達との会話を思い出していたら、少しボーッとしてしまっていたみたい。

そうだった。
今は、涼太と温泉に入ってたんだ。

それで……涼太が逃げてしまいそうで、怖くて、彼の腕にしがみついている。

どうしよう……

慌ててふたりきりにして貰ったものの、なんて言ったらこの気持ち、伝わるの?

ずっと考えていたけど、答えなんて出るわけがなかった。

だって……私、こんな風に恋人として愛された事が、ないから。

家族だって、おばあちゃん以外の記憶、ないし……。

涼太に愛情を貰うばっかりで、彼にどう返したらいいかなんて、分からない。



「……アメリカにさ」

「う、うん」

「行ったら、お土産買って来るから」

……?

「あの、バスケしに行くんだから、そういうのは気にしないでいいよ」

「いや、彼女に買って来るのはトーゼンっしょ」

涼太は、こういう所がすごく律儀だ。
気にしなくていいのに。

「本当に私は大丈夫だから、その分はご家族に買って」



「……オレと、別れたいんスか?」



「…………え?」



何?
私が涼太と別れたい?

「ちょっと待って、どうしてそうなるの?」

「みわが、青峰っちに惹かれるのはさ……分かるっスよ。
オレもあのヒトのバスケに一目惚れしたタチだから」

青峰……さんに、惹かれる?
誰が? 私が?

「ねえ涼太、さっきから変だよ?」

オレの事が嫌いか聞いたりとか……

どうして青峰さんにそんなに突っ掛かるの?

……もしかして、やっぱり。



「涼太、もしかして……夕方の、見てた?」

一瞬の間。
これは、肯定の間?




「……たまたまさ、2人を見つけて、ついてったんスよ」

そうだったんだ……。
それで、あれ……見られちゃったのかな……。

「そうだったんだ、ごめんね知らなくて」

「まさか……青峰っちとキスするとこ、見ちゃうなんて思ってなかったんスよ」





……え?


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