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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第18章 夏合宿 ー1日目ー


「わ、もうこんな時間!?」

2年生と1年生の部屋を回ると、夜はだいぶ更けていた。
入浴時間、あと30分で終わっちゃう…!

2軍の3年生の部屋の前を通ると、例の先輩が部屋から出て来たところだった。

「あ、神崎、風呂の時間終わっちゃうだろ。先入って来なよ。
遅くなるなら、また明日相談させて貰うし」

「ありがとうございます!行ってきます。明日になってしまったら、申し訳ありません」

急いで支度をし、大浴場へ向かった。



「はぁ……」

もうこの時間は誰もいない。
今日1日の疲れを癒すためゆっくり湯に浸かる。

あんまりゆっくりしている余裕はないけれど…部屋でシャワーのみよりも、疲れが取れるだろう。

少し時間が出来ると、忙しさを理由にして考えるのをやめていた事たちが頭をよぎる。

黄瀬くんとは、あれからじっくりと話してはいない。

帰りは送ってくれるけど、家が学校の近くになってしまったので、ゆっくり話をする時間自体がなくなった。

私がキスを拒んだからか、そういった要求も一切なかった。

黄瀬くんの唇を思い出して、悶々とする。
抱き締められた腕の強さ。甘い声。
全部、私だけのものならいいのに。

これは、嫉妬か。
自分もまだ見れていない黄瀬くんを見ている人間がいるというのに、耐えられないのか。

「ほんっと、醜い……」

入浴を済ませ、髪を乾かす。
完全に乾ききってはいないけど、後は寝る時までに自然に乾くだろう。

髪を大きなクリップでアップにして、浴衣に着替え大浴場を出た。

「お疲れさま」

目の前にいるのは、告白してきた先輩だった。
遅くなるようなら、明日でも良いと言っていたのに。

「浴衣……似合うね」

「あ、ありがとうございます。
すみません遅くなってしまったので、明日の方が良いでしょうか」

「ううん、今でいいよ。すぐに終わるから」

ちょっと怖いなと思っていたけど、密室にふたりきりではないし、ここでなら大丈夫だろう。
誰か通るかもしれないし。

「先輩、何かお困りなんですか?」

「うん……ちょっと」

少し困った顔をした先輩は、突然私を引き寄せ、抱き締めてきた。

「ちょっ……先輩!? やめてくださいっ」

ガッシリした腕に強い力。
抵抗してもビクともしない。

「どうしたんですか! 先輩!」

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