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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第72章 悋気


練習中、
試合中。
クラスでの何気ない時。

みわが、他の男を呼ぶのなんて当たり前。

でも正直、いい気はしない。
常に歪んだ独占欲が顔を出す。

束縛しない子がタイプ、なんて言っていた昔のオレはなんだったというくらいだ。

頭ではちゃんと分かってる。
そんなの仕方ない事だって。


でも……
今は、それとは違うっスよ……
このタイミングでその名前を呼ぶとか……

みわは青峰っちの名前を呼んだだけなのに、まるで別れを告げられたかのような衝撃が走った。

オレじゃなくて、青峰っちを選んだんだって、暗に言われてるような気がして。



「……なんだ?」

背後から聞こえる声。
いつものテンションとは異なる、低く抑えた声。

みわは何を言うつもりなのか?

なんでこんなにビビってるのか、自分でも可笑しくなるほどだ。



「……青峰さん……
ごめんなさい、涼太とふたりきりにして貰えますか」



……

最終通告をされるのではないかという不安が胸を染めていく。

「おう……オレはケイタイ取りに来ただけだからよ」

そっけなく、でも心配そうな声はそう言って、遠ざかっていく足音。

行かせていいのか?
追及しなきゃならないんじゃないか?

そんな事をグダグダ考えているうちに、ドアの閉まる音が耳に届いた。



「……涼太、腕……離して、くれる?」

上目遣いで遠慮がちな声。
オレに恐怖を感じているかは、なんとも言えない状態で……。

離したくない。
そう思うけど、拒否してさらに嫌われたくない。

なんだ、オレはなんでさっきから、こんなぐちゃぐちゃ考えてるんだ。

新年からこれかよ。
先が思いやられる。

ゆっくりとみわを束縛していた腕をほどいた。


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