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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第72章 悋気




「あ……ァ」

喉が……渇く。

もう殆ど出ない声の代わりに漏れる息が、窓ガラスを曇らせていく。

あれから、どれほどの時間が経っただろう。
一体、何回いってしまったのだろう。

口内を蹂躙し続ける指を噛んで抵抗しようとしても、力が入らない。

再び何回目かの絶頂を迎え、ついに力の全く入らなくなった膝も、彼の逞しい腕に支えられて崩折れることはなかった。

「ダイジョーブ? みわ」

いつもの、気遣うような"大丈夫?"ではない。

まだ、頑張れるでしょ?
そう言われてる気がして。

もう、無理……

「ひ、ぁ……も、む、り……」

必死で絞り出した懇願は、窓ガラスに新たな曇りを生み出しただけで虚空に消えていった。

怖いくらいの迫力とは裏腹に指遣いは優しく、止まることはない。

最初の1度以降は、ゆっくりと快感を味わわされ、じっくりと上り詰めるようで……。

「……ぁ、……」

絶え間なく訪れる絶望的なまでの快感に、意識が遠くなってきた。

「ダーメ……ほら、みわ」

「っあ、う!」

優しく陰核を擦り続けていた指が突然強く抓り出し、その痛みを伴った快感に、靄のかかった意識が覚醒する。

先ほど彼は、気絶するまで許さないと言っていたけれど……


気絶することも許して貰えない。


「りょうた、ごめ……ごめ……なさ……」

「ごめんなさい? それは何に対して?」

狂気のような愛撫からとにかく解放されたくて。

「みわ、オレは別に謝って欲しいわけじゃないんスよ」

「ぁ……ぁ……や、……ん……」

じゃあ、どうしたらいいの?
涼太、怒ってるの?

「りょ、う……なん、あッ、あ」

「……こんなに腫らして……キモチイイ?」

弄られ続けた蕾はこれ以上にないほど敏感になっている。

「……や……」

曇った窓についた両手が、不規則な円を描き出していく。

先ほど降り出した雨は、嬌声を掻き消すかのように強くなっていた。


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