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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第72章 悋気


赤司っちたちの部屋は、和室だった。

オレと青峰っちの部屋は洋室だ。
上質なシティホテルのように、ベッドが置かれていた。

様々なニーズに応えられるよう、部屋の種類も豊富なんだな。

しかし、合宿で泊まる宿とは広さが違う。

布団が敷いてあるスペースとは別に、10人近い人間が遊んだり寛いだりしても余裕があるほどの空間がある。

どうやら、皆でトランプをしていたらしい。

何をしていたかは分からないけど、テーブルの上にはカードの山。

テーブルでは高尾クンがうなだれ、黒子っちが何か声をかけている。

そのテーブルから少し離れた窓際では、みわと赤司っちと緑間っちが何かを話していた。

その姿を見て、また胸が焦げ付くような不快感。

同時に、昔の仲間にこんな気持ちを抱いてしまう事への罪悪感と、そんな自分に対する情けないと思う気持ち。

焦燥感と一言で表してはいけないようなモヤモヤが、胸中を支配していた。

「皆、遅かったな」

赤司っちのその笑顔を見て、気付いた。
紫原っちは、オレたちを連れてくるよう彼に頼まれていたんだろう。

みわと目が合う。

いつもと全く変わらない優しい微笑みを浮かべたのを見て、思わず目を逸らしてしまった。

なんで、そんな平気そうにしてるんスか?
オレが見た事に気付いてないから?

みわを信用していないわけじゃない。
わけじゃないのに、なんでこんなに焦れる。

みわは、外見でオレの事を好きになった訳じゃない。

ちゃんと内面を見てくれてるんだ。
それが凄く嬉しくて。

……でも。

それじゃ、キセキの皆は?


ひとりひとりクセはあるが、皆が才能溢れる魅力的な人間だ。

みわが、彼らに惹かれない保証なんかない。

数日前、部室で彼女を抱いた。
でも、昨日は好きって言われたか?
今日、言われたか?

今日、彼女が心変わりしていないと、言い切れるのか?

ぐちゃぐちゃとそんな事ばかり考える自分にまた嫌気がさす。








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