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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第72章 悋気


「あれ……?」

赤司さんに誘われて、お部屋に遊びに来たものの、涼太やさつきちゃん、紫原さんや青峰さんが来る気配はない。

どこか、別の場所で集まっているのかな?



現在、トランプ大会……というか、ババ抜き大会が行われている。

ポーカーフェイスの黒子くんに、
頭脳派で判断が早い緑間さん、
読みが鋭い高尾さんに、
何故か勝てる気がしない赤司さん……。

ここに私が加わっていいものかと思うほどのメンバーだ。

ラッキーなことに、私は最初にあがることができた。

「あがりなのだよ」

続いて、高尾さんからカードを引いた緑間さんがあがった。

「真ちゃんずりー!」

「実力なのだよ」

そう言って眼鏡の位置を直した緑間さんが、席を離れて私の隣に立った。

「さて、そろそろ俺もあがらせてもらうかな」

先ほどまで最初にあがっていた赤司さんが意味深にそう言って、高尾さんにカードを引いてもらうように促す。

「赤司サンから引くの、俺イヤなんだけどー!」

高尾さんの悲鳴が響く。

案の定、赤司さんが持っていたババを高尾さんが引き当て、うなだれる彼。

「ありがとう、高尾くん」

赤司さんは黒子くんからカードを引き、さらっとあがってしまった。

朗らかな笑いが部屋を包んでいた。


「……貴女のような人が黄瀬と付き合っているのは、不思議なのだよ」

「え?」

隣に立っていた緑間さんが、突然不思議な事を言うのであっけにとられてしまう。

やはり、涼太をよく知る人からしてみたら、私みたいな女と付き合うというのは、不可解なんだろう。

よく分かっているつもりではあるけれど、正面きって言われると、流石に落ち込む……。

「やっぱり……変、ですよね」

「成績は悪いし、昔はチャラチャラと軽い部分があった。黄瀬は貴女との付き合いで得たものが多いようだが、神崎さんにメリットがあるとは感じられないのだよ」

「そっ、そんな……!」

緑間さんが言っていることは、事実とは真逆の事だ。

実際には、私と付き合っていて涼太には何のメリットもないのに……。

「緑間、神崎さん、面白そうな話をしているね」



「高尾くん、すみません。ボク、あがりです」

赤司さんが私たちに話しかけてきたのと同時に、黒子くんが、手にしている最後のカード2枚を、山へ放った。

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