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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第72章 悋気


「黄瀬」

食事を終え、部屋へ戻ろうと立ち上がると、赤司っちがこちらに向かってくる。

「なんスか?」

「これから、俺たちの部屋で集まる事にしているが、お前はどうする?」

「あー……」

皆でワイワイ年越しも、悪くないっスね。
そんな風に思ったけど……

「神崎さんも来るそうだよ」

え……

……みわ、オレに相談する前に決めたんスか?

そんなくだらない事を聞き返しそうになる。
小学生じゃあるまいし、何を拘ってるんだ。

……行ったらまた、モヤモヤすんのかな。

「……いいやオレは。ちょっと疲れたし今日は寝るっス」

「そうか? まあ、気が向いたら来るといい。青峰も部屋に居ると言っていたな」

……青峰っちもか。
部屋で……今は、会いたくない。

自分でも驚くほど動揺している。
少し、頭を冷やした方が良さそうだ。

当たり散らして、以前みたいにみわを傷付けるような事は、絶対にしたくない。

雨なのがユーウツだけど、少し散歩でもするか……。





「きーちゃん!」

部屋に戻る前にトイレに行くと言っていた桃っちが戻ってきた。

「どしたんスか、桃っち?」

「あっちにゲームコーナーがあったよ。行かない?」

そう言って指さしたのは、部屋に戻る階段とは逆方向の廊下だ。

皆と年越ししないんスか?
と聞こうとして、やめた。

多分オレは、桃っちと同じ顔をしているだろう。

「……ん、そっスね。いこっか」

別に、当てつけているわけではない。

ただ、ひとりでいると余計な事ばかり考えてしまいそうで……

「黄瀬ちん、ゲームすんの〜?」

桃っちの後ろから、紫原っちがやってきた。

「暇潰しっスよ。紫原っちも?」

「オレもヒマだから行く〜」

奇妙な3人組となったオレたちは、ゲームコーナーにあった太鼓ゲームに没頭した。



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