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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第72章 悋気


女性のマークがついた桃色の暖簾をくぐり、清潔感溢れる脱衣所に入る。

カゴに荷物を入れ、衣服を脱ごうとしてふと手元のバッグを見ると、下着が入ってない事に気づいた。

既にさつきちゃんは服を脱ぎ始めている。
待たせるのも悪いし、先に入ってて貰おう。

「さつきちゃんごめん、着替え忘れて来ちゃった。取りに行ってくるから、先に入ってて!」

「分かった〜! 中で待ってるね!」

カラカラと浴場へ繋がるガラス戸を開け、さつきちゃんは湯けむりの中へ消えて行った。

ホントドジ。
早く取って来よう!





ベッドの隅に落ちていた下着を回収し、部屋のドアを閉める。

「神崎さん」

声のする方に視線を送ると、既に浴衣に着替えた赤司さんの姿が。

「大浴場についての説明がまだ済んでいませんでしたね」

何か注意事項があるんだろうか?
てっきりさつきちゃんが既に聞いているものと思っていたけど……。

赤司さんが口を開いたと同時に、遥か向こうで部屋から出てくる黄の髪が見える。

涼太は、私たちに気付くと浴衣の裾を翻しながら小走りで駆け寄ってきた。

「あれ、みわに赤司っち、何してんスか?」

「ああ、黄瀬か。大浴場についての説明をしておかないとと思って。緑間には先ほど説明したんだが」

赤司さんの手元には小さなメモ用紙。

なにやら数字が書いてあるところを見ると、営業時間の案内かな?

「聞いておくっスよ。オレ、今から風呂行くから、先に行った青峰っちにも伝えておくし」

「私も、先にさつきちゃんが入ってるので、伝えておきます」

私たち2人の話を聞いていた赤司さんが、少し驚いたような顔をする。

「赤司っち、どーしたんスか?」


「ああ……大浴場は、18時までは混浴なんだ」


「は、ハイィ!?」

涼太と私の声が、静かな廊下に響き渡った。



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