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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第72章 悋気



キセキの世代が集まって、皆でストリートバスケ。

去年の夏、彼らがチームを組んだ試合は見たけれど……。

この6人での3 on 3が、超人的すぎる。

それはそうだ。
全員が全国で戦ってきた、超高校級の選手。

目の前で繰り広げられるプレーが凄すぎて……

……この全員が揃っていたなんて、帝光中学校時代、他に敵がいないわけだよ……。

「みわちゃん、寒いね!
もう今のでラストだから、お昼いこっか!」

審判役を終えたさつきちゃんが、私がいるコート横のベンチまで駆け寄ってきた。

審判は交代で行っていて、今終わったのが最後の組み合わせだった。

この後は少し休憩して、皆でお昼を食べに行く予定だ。

「おつかれさま、さつきちゃん。
あったかいお茶、飲む?」

「嬉しい! 飲む飲む〜!」

今日は寒くなると聞いて、お茶をポットに作って入れてきた。

男性陣は汗だくだから、運動直後はいらないかもしれないけど、汗が冷えるのは早いから……。

「ぶわっくしょい!」

目の前で盛大なくしゃみをしたのは、青峰さん。

「青峰さん、あったかいお茶はいかがですか?」

「あー、もらうわ。冷たいの飲んだらスゲェ冷えた」

用意していた紙コップにお茶を注ぐ。
手渡す際に指が触れた。

「うわっ、つめてーな神崎、死んでんじゃねーの?」

そう言って青峰さんは私の手を掴んだ。

「し、死んでませんよっ! 冷え性なんです!」

「冷え性って治んねぇの?」

「うーん、そう簡単には……」

結構、気にしてアレコレやってるんだけど、なかなか改善されない……。

おばあちゃんからも、まだ若いのにって心配されて。

涼太なんて、冷え性のひの字もないのに……。

ふいに涼太の体温を思い出して、顔に熱が集まるのが分かる。



「……ミドリン! お茶、飲む!?」

さつきちゃんは、他の皆にもお茶を配ってくれる。

素早く、コートの中にいる皆にまで渡してくれていた。



「さつきの手はフツーにあったけーけど」

するりと手が離れ、さつきちゃんの背中を見て、青峰さんがぽつり。

「いいなあ、さつきちゃん。
冷えないのは羨ましい」

待って。
さつきちゃんの手はあったかいって……

2人は……手、繋いだ事……あるのかな……。



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