第71章 笑顔
『じゃあ、詳しい時間とかはまた決まったらメールするね! 忙しいのにごめんね!』
「ううん、サンキュー」
通話を終了させ、スマートフォンを脱ぎ散らかしたウインドブレーカーの上に放り投げた。
「っ、ハァッ……」
オレの肩にもたれかかり、細い肩を上下させているみわ。
ほんの少し、弱いトコロを刺激するだけで絶頂に達してしまうようになった、その敏感な身体が堪らない。
彼女の両腕の自由を奪っていた手をほどくと、恨めしそうに上目遣いで睨んでくる。
それがまるで、小動物が必死に強がっているように見えて、かえって加虐心が煽られてしまう。
「みわ、イッちゃった?」
潤んだ目を庇うように生えている睫毛をそっと撫でると、驚いたようにまばたきを繰り返した。
「な、なんであんな意地悪するの……」
「みわが、電話に出ろって言うから」
「そっ、それは!」
全くもって意地の悪い返しだと分かっているが、みわは困ったように赤面した顔を震わせている。
「勝利の女神様が、快く祝福してくれないからさ、つい……」
細い顎を捕まえて、塞ぐように唇を重ねる。
もう、抵抗はなかった。
「あれ、女神様、その気になっちゃった?」
空いた片腕でみわのジャージのファスナーを下げると、下に着ていたTシャツは既に汗ばみ、しっとりと湿っている。
その薄い布を捲り、ブラジャーの中に指を滑らせると、頂は既に硬く立ち上がっていた。
「……反応してる、っスね」
「意地悪言わないで……」
背中に回した腕で素早くホックを外し、食むように唇と舌を柔肌に這わせると、押し殺したような悩ましい嬌声があがった。
「っア、りょ……た……」
首元に回された腕が、ユニフォームを乱すように鷲掴みにする。
音を立てるようにわざと胸の突起を舐めあげると、背中が綺麗に反り返った。