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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第71章 笑顔


ベンチの片付けを終え、監督と涼太、それに謎の男性の方に目をやると、いつの間にか青峰さんも加わって話していた。

なんだか親しげだ。
知人……じゃないよね?

誰かな、誰かななんて思っているうちに話は終わったらしく、涼太が戻ってきた。

「みわ、カントクが学校まで送ってくれるって」

「わ、本当に?」

嬉しい。
トロフィー類があるから、どうしようかなと思っていたところだ。

トロフィーやカップは、最終的に正面玄関前のトロフィー置き場に収納される予定だけれど、大会後1週間は各部で保管しておいて良い期間とされている。

どうせだから、皆の目につく部室に置いておきたい。

学校まで送って貰えるなら、今日のうちに置いてしまおう。

「神崎先輩、全員帰り支度済みました」

「スズさん、ありがとう!
監督の所に集合するから、声かけてくれる?」

スズさんやキオちゃんが皆に声をかけてくれ、ゾロゾロと監督の元へ集まる生徒たち。

海常の旗が掲げてある観客スタンドに、笠松先輩、小堀先輩、森山先輩の姿が見える。

小堀先輩が、小さく手を振ってくれている。
森山先輩も、笠松先輩の肩を抱きながら親指を立てていた。

涼太がそれに気付き、大きく手を振り返していた。

3人とも目が赤い。
でも、笑顔だ。




秀徳メンバーのインタビューを終えた記者とカメラマンが、こちらに向かってくる。

「海常の皆さんで、写真いいですか?」

「はい!」

涼太が中央でトロフィーを持ち、1枚目は雑誌掲載用に選手・マネージャー・監督のみで撮って貰う。

2枚目は、応援に来てくれていたOBが入り、かなり大人数の写真になった。


皆と戦った。
皆で泣いた。

悲しい想い、悔しい想い……たくさん、した。

今はこうして、皆で笑ってる。


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