第71章 笑顔
『私立 海常高校!!!
ウィンターカップ 優勝ーーーー!!』
何が、起きたのか。
最後、涼太は再びゾーンに入っていた。
この極限の状況で。
体力など殆ど残っていない状態で。
どこに、そんな底力が。
3ポイントシュートを決められてもあれ以上引き離されなかったのは、涼太の猛追があったからだろう。
スコアボードに表示されているのは
195 対 194
最後に、涼太の放った……3ポイントシュートが、試合終了のブザーと共にリングへと……。
外したら、負けてた。
2ポイントシュートなら、再度延長だった。
全てを賭けて"勝ち"のために放ったシュートが、決まった……。
うおぉおおおおぉおおとコートやベンチから聞こえる咆哮も、遠くに感じる。
コートの中でうな垂れ、涙を流す誠凛の選手たちが見える。
勝っ、た……?
惚けてしまい、声が出ない。
足が、動かない。
目の前が、滲んできた。
「みわ!」
「神崎!」
「神崎先輩!」
私を呼ぶ、声がする。
ライトが眩しくて……
皆の顔が見えないよ……。