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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第70章 特別


「さつきちゃん、青峰さんと付き合ってたの……!?」

いつの間に。
知らなかった。

……でも、青峰さんはずっとさつきちゃんの事が好きだったんだから、不思議な事でもないけれど……。

「え、付き合ってないよ!」

ええ!?
ではなぜ、そんな話になるのか。

「さつきちゃん、ごめんね。
良ければ経緯を教えて」


「……IH決勝……の日……試合後に……
ろ、ロッカールームで……大ちゃんが、
私の事"女として見てる"って……」

わあ、わあ、青峰さん! やった!

手を叩いて喜びたい気持ちを抑えて、うんうんと頷いて返した。

どうしても無意識に彼を応援してしまう。

「うん、それで? なんてお返事したの?」

「返事……できなくて……だって私、そういう事……したこと無いから……」

ん?

「待って? さつきちゃん? えっと……
付き合う、事にしたんじゃなくて?」

「違うよ、大ちゃんは付き合うとかじゃなくて、女として見てるって……つまり、そういう事する対象で見てるって事だよね?」

それは……そういう対象で見てるっていうのは、好きなら当然じゃないかと思うけれど。

「うん、それはそうなんじゃないかな」

「私、そんなの怖いから、断っちゃったの」


…………

うん?


「さつきちゃん……その、女として見てる、っていうのは……好きだから付き合って欲しい、って意味じゃないの……?」

さつきちゃんは、それを聞くとひっくり返りそうなほど驚いた。

「ええ!? そんな事、言ってなかったよ!」

さつきちゃんのその反応に、私もひっくり返りそうなほど驚いた。

涼太の事で色々相談した時には、あれだけ的確なアドバイスをくれたりするのに、本当にどうして自分の事だとこんなに鈍感なの!?

「……断っちゃったの……?」

「うん、驚いて、凄い勢いで断った」

「…………」

「だって、だって……!」

「さつきちゃん、青峰さんと付き合う気はないの?」

「……か、考えたこと、なかった」

そうだろうか。
さつきちゃんも、青峰さんの事、かなり気になってたはずだけど……。



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