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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第70章 特別


それはまるで、宝石の涙。


琥珀色のその瞳から零れ落ちる涙が、キラキラ、キラキラと美しくて、目を奪われる。

涼太が、泣いている。

はじめは声も出さずに。
でも、それは次第に……


「……あ……っ……あああ……」

声を上げて泣く涼太を、ずっと抱きしめていた。

「……涼太。ありがとう……」

「……っ、みわ……」

涼太が、私の身体を強く引いて、唇を合わせてきた。

こんな風に、試合後に求められたのは初めてだ。

キスの合間に漏れる嗚咽。

ベンチに身体ごと押し倒され、何度も何度も繰り返される口づけ。

重なる冷たい唇から、頬に落ちる温かい涙から、彼の想いが流れ込んでくる。

とめどないその想いを受け止めているうちに、私も泣いていた。




良かった。
あなたが泣ける場所でいられて、良かった。





泣いて。
今は、沢山泣いて。

最後に笑えば、いいんだよね。






ロッカールームに響く、ふたりの泣き声。





高校最後の夏の大会は、
   ……こうして終わりを告げた。









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