第70章 特別
翌日……
いつもと同じ暑さ。
肌を焼く陽射しは変わらない。
いつもと同じ顔触れ。
でも、選手たちを纏う空気だけは違っていた。
インターハイ決勝戦。
決勝戦の対戦カードは
神奈川県代表 海常高校
対
東京都代表 桐皇学園
全く、毎度毎度何の因果か。
2年前、私たちが1年生の時のインターハイと同じ組み合わせとなった。
鍛え抜かれた肉体を持つ選手たちがセンターラインへ整列する。
「よお、黄瀬」
桐皇学園 エース 青峰大輝。
「……公式戦は、久しぶりっスね」
海常高校 エース 黄瀬涼太。
いつもは軽口を叩き合う2人も、この時ばかりはこの一言を交わしたのみだった。
迸る緊張感。
FINAL TIP OFF