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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第70章 特別


「はは……ごめん、ちょっとだけ、待って」

もう、乾いた笑いしか出て来ない。

「涼太、あの」

「ダイジョーブ、すぐ、いつも通りになるから」

上半身を起こしているみわの肩を押して、再び横たわらせてから唇を重ねた。

再び、片方の手で扱く。

この柔らかい官能的な唇。
……みわ。

もう脳内は彼女でいっぱいなのに、変わらない状況。

「ン……涼太」

「ごめん、待ってね、すぐ」

こんなの、あるかよ。

みわがオレの誕生日にって、1から100までオレの、オレだけの事を考えてくれて祝ってくれたのに。

好きで、好きで、この想いを伝えたいのに。

なんで、なんでオレはこんななんだよ。
なんで……

半ば自棄になっていると、離れた唇の合間から声が聞こえた。

「涼太、無理しないで……。
そういう時も、あるよ」

勢い良く動かしている手に、細く柔らかい掌が触れた。

「ね、大丈夫だから。今日はお休みしよう?」

優しく囁くようなその声。
みわだってもう疼いて仕方がない筈なのに。

でも、ダメだ。
ピクリとも反応しない。
どんどん状況は悪化してる気すらする。

「ごめん……みわ、ホントごめん。
今日は、指でイカせてあげるから……」

みわの手は、またオレの進行を阻む。
蜜壺に差し入れようとした手は、やんわりと押し返されてしまった。

みわの顔を見ると、微笑んで首を横に振る彼女。

「ごめんね、私いつも、して貰ってばかりで。
体調が良くない時にまで、無理させて」

違う。
違うんだ。

「体調悪くなんかないんスよ。ごめん……
なんか、分かんないけど、オレ……」

「いいの、涼太。……隣、来て?」

みわに言われるまま、彼女の隣に横たわった。

「こうして、同じお布団に入ってお喋りするだけで、幸せだよ」

気を遣わせてしまっている。
申し訳無さすぎて、叫び出したくなる。



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